2007/11頃リリースされた、VSTプラグインのエイリアスノイズを除去する
オーバー・サンプリング・プラグイン Arke Code 「VST Oversampler」。
[エイリアス・ノイズとは]
ディジタル処理で信号にサンプリング周波数以上の倍音成分が含まれる時、グラフィックで言う所の「干渉縞」や「モアレ」のように折り返しノイズが発生する現象で、シンセの出音を濁らせる主原因となる。
古くはRoland JunoX2等のディジタルシンセで、ピッチベンドを上げると逆に下がる倍音成分として観察されており、現在ハードウェア機器では各種対策が施されているが、フリー・プラグインではまだまだ対策が施されていない物がある。
[VST Oversampler]
エイリアスのあるプラグインの出音改善を目的に開発されたVSTプラグイン。
動作概略としては、対象プラグインを包み込むラッパー・プラグインとして動作し、
対象プラグインを内部的に倍のサンプリング周波数で動作させる事で、
エイリアス・ノイズを可聴領域の外(> 22.05KHz)に追いやって音質を改善する。
[mp3] 前半は元の音(チリチリ音がエイリアスノイズ)、後半は改善後(チリチリ無し)
http://www.fileden.com/files/2006/8/31/195824/oversampler_comparison.mp3[使用方法]
1. 対象プラグインの名前を変更し、名前の最後に ".os"または"_os"を付ける
例: 元のプラグイン名: plugin.dll
名前変更後: plugin.os.dll または plugin_os.dll
2. "oversampler.dll" を、対象プラグインと同じフォルダにコピー
3. "oversampler.dll" の名前を、対象プラグインの元の名前に変更
例: 名前変更後: plugin.dll
4. DAWからは元のプラグインと同じ名前を呼び出せば、
実際には元のプラグインをラップしたVST oversamplerが呼び出される。
注: この種のツールの音質改善効果は、元のプラグイン実装に強く依存します。
一部プラグインは44.1KHz以外動作保証がなく、音すら出ないかもしれませんし、
別のプラグインはエイリアス・ノイズを除去済みで、効果が無いかもしれません。
VST oversamplerの効果を厳密に確認するには、オシロやスペクトラムで表示、
あるいは周波数スイープ測定を行うと良いかもしれません。
[関連トピ]
http://www.kvraudio.com/forum/viewtopic.php?p=2721023